10月6日(金)、福岡大学から講師の先生をお招きして環境講座を開催しました。
福岡大学社会連携センターで助教をされている山田雄三先生です。
先生はこれまで、別府校区や三池炭鉱、日の里などで地域の人へのインタビューや写真を集めることにより、地域の歴史の記憶を残すプロジェクトに携わってこられたそうです。
2011年の東日本大震災で多くのものが流されたり失われたことがきっかけになり地域の歴史は「意図的に残さないと残らない」との思いから取り組まれているとのこと。
堤周辺の写真や航空写真を見せていただきました。
↑昭和41年の堤バス停付近の写真 |
↑1946年堤交差点付近 |
↑2007年堤交差点付近 |
60年ほどで多くの道路や住宅ができて、農地と池ばかりだった堤付近の大きな変遷がわかります。
こんな荒涼とした土地だったのですね。今では想像もつきません。
参加者も地域の変遷に驚いたり、懐かしんだり |
別府校区では2011年から別府公民館を記憶の集積拠点に、地域の人の証言や写真が集められました。
その過程で、失われたと思われていた福豊炭鉱の記録が経営者親族と連絡が取れたことにより、炭鉱の写真や証言が改めて得られたとのことは大きな収穫だったそうです。
炭鉱の様子や別府団地ができる前後、蛍が顔に当たるほど飛んでいたような農地が現在のようになる過程を写真で見ることができました。
参加者の中には、見知った商店が写っていて懐かしむ様子も見られました。
最後に「どのような場所にも豊かな歴史が堆積している。しかし地域の記憶が保存されることはほとんどない。歴史はすべてのまちづくりの土台になる。地域の記憶を収集、保存する実績そのものが地域の未来を担う人材の育成につながる。」と先生はおっしゃっていました。
日ごろから、わが町のつくりや地名などに対するちょっとした疑問を追求してみると、
面白い発見があったり、子供に教えておきたいこと、親・祖父母世代に話を聞いてみたい、残しておきたい、と思うことがあるかもしれません。
そのことが次世代のよりよいまちづくりにつながるといいと思います。